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講演会・式典詳細

人間文化学科秋期公開講座-芸術の秋に学ぶ 【第1回】

人間文化学科秋期公開講座―芸術の秋に学ぶ ロマン派音楽の諸相― 
【第1回】 実施報告

■日時 : 平成23年10月8日(土)13:30~15:45

 2010年はショパンとシューマンの、2011年はリストのそれぞれの生誕200年で、一昨年、昨年と2年続けてロマン派音楽の記念の特別な年でした。これらのロマン派の作曲家の音楽は今日も多くの人に好まれていますが、それは、それぞれの音楽の美しさに加えて、彼らの個性の強くまた自然な表出を感じさせ、われわれがそれに共感をおぼえるからでしょう。この公開講座では、これらの作曲家の実際の楽曲を聴いていただきながら分析・解説し、その音楽に潜むそれぞれに固有の想念が実際の響きに彼らの音楽の魅力としていかに表されているかを、3回シリーズでお話しました。
 第1回目「苦悩のロマン主義者シューマン」では、本題のシューマンの音楽に入る前に、そもそも「ロマン主義」の本質についての説明をしました。ロマンティックな音楽といえば、メランコリックにして美しい曲を想像しますが、それはロマン派音楽のごく一面です。ロマン主義自体は、ドイツ人中世ゲルマンの文化と歴史に対する誇りと彼らがそこにドイツ的アイデンティティを見出そうとしたことに始まり、それは一般に考えられる「ロマンティック」というものとはかけ離れてさえいます。
 シューマンは当時大学教育を受けた数少ない作曲家であり、音楽批評家としての彼の文筆活動は、文学、諸芸術そして哲学にもおよぶ彼の深遠な教養を示しています。シューマンはこの豊かな教養から人文主義の古典的な考えを持つに至り、それを自己の作曲における規範としたようですが、時は感情表現が芸術において重要な要因であるロマン派の時代であり、結果としてシューマンの音楽の響きはロマン派音楽にあって一種特殊なものとなったのです。このことの詳細を、シューマンの音楽批評家としての活動に現れる彼の音楽観の紹介を交えながら音楽の分析を通じてお話しました。
 


■ポスター
人間文化学科秋期公開講座-芸術の秋に学ぶ 【第1回】

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更新:2011年06月28日

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